導入事例

2025.10.02
WingEarth Wingneo®INFINITY ANIST

株式会社MSS様
測量時間を大幅短縮し、点群処理に集中できる環境を構築 多様な人材活用と社内全体の生産性向上も同時に達成できた

株式会社 MSS 様は、愛知県を拠点に公共測量、工事測量、調査を中心とした測量事業を展開している企業です。設立以来、「お客様のお役に立ちたい」「喜んでいただきたい」という思いを大切に、人材育成に力を入れながら成長・発展を遂げてこられました。
現在は、愛知県や名古屋市などの官公庁をはじめ、民間企業からの測量依頼まで幅広く手がけていらっしゃいます。
同社では早くから 3 次元測量技術の導入に取り組み、3 次元レーザスキャナの活用により、複雑かつ大規模な地形や地物の測量において高い精度と効率化を実現してきました。さらに、測量部門と施工管理部門を連携させた独自の体制により、工事のスムーズな立ち上がりを支援しています。また、RTK-GNSS を活用した技術研究や精度の向上、コスト削減にも継続的に取り組まれており、
顧客満足と安心の追求を通じて、測量業界で信頼されるパートナーとして選ばれ続けています。

御社の事業内容を教えてください。

弊社は 2007 年の設立以来、「熱いハートに技術を込めて、技術と真心でお客様に安心と利益を提供します。」という経営理念のもと、測量業界で着実に実績を積み重ねてきました。事業の中核となるのは公共測量業務で、元受け・下請けの両方を手がけています。主要なお客様としては、愛知県や名古屋市、水資源機構などの官公庁があり、これらは比較的大規模な案件が多いのが特徴です。一方で、コンサルタント会社からの設計に付随した測量依頼も重要な業務の柱となっており、多様なニーズに対応しています。従来の公共測量だけでなく工事測量にも対応できる技術力を持っていることが、お客様から高く評価されているポイントだと考えています。
弊社の最大の強みは、新しい技術への積極的なアプローチです。特に3次元レーザスキャナをはじめとする最新測量機器の導入においては、業界内でも早期から取り組んできました。これは、社長である私自身が新しい技術に対する関心が高く、実際に導入して試してみるという姿勢を大切にしているからです。メーカーからの説明だけでは分からない点も多いため、まず自分で使ってみて判断することを心がけています。また、2023 年に滋賀県の建設コンサルタント会社であるアーステック株式会社と資本提携したことで、事業基盤も一層強固なものとなり、両社の技術をかけ合わせることで、より幅広い案件への対応が可能となりました。

酒井社長はアイサンテクノロジーの製品をいつから利用していますか?

私がアイサンテクノロジーの製品と出会ったのは、17歳で測量業界に足を踏み入れた時までさかのぼります。地元の先輩に声をかけられて測量会社に入社したのですが、その会社でたまたま使われていたのがアイサンテクノロジーのソフトウェアでした。当時はWINGから HYPER WINGに移行したばかりの時期で、測量業界でも徐々にコンピューター化が進み始めていた頃です。
ところが、当時の私は測量に関する知識が少なく、専門用語も分からない状況で、測量の仕事を続けていけるか不安を感じていました。そのような中で、アイサンテクノロジーのソフトウェアに触れた時、先輩たちが手計算で苦労している作業が瞬時に終わることに気づいたのです。この衝撃的な体験は今でも鮮明に覚えており、「これなら自分にも測量を続けられる」と確信した瞬間でした。しかし、会社には PC が 1 台しかなく、新人の私が自由に使える環境ではなかったため、休日である日曜日に会社へ通い、操作方法を習得していきました。そ れ 以 来、ProWing、Wingneo、そして現 在の Wing Earth に至るまで、一貫してアイサンテクノロジーのソフトウェアを使い続けており、まさにソフトウェアの進化とともに歩んできた関係と言えるでしょう。

アイサンテクノロジーの製品を本格的に活用するようになった経緯を教えてください。

実は、初期の頃から 3 次元測量技術の存在は認識していましたが、実際の性能を見るとまだ技術的な課題があり、実用性を重視する弊社としては導入時期を慎重に見極めていました。たとえば、従来の方法
では 1 時間ほどで終わる測量作業に 3 時間ほどかかってしまったり、取得したデータを PC に転送する際にシステムが止まったりしていたのです。こうした状況を踏まえ、「この技術はまだ実用段階ではない」と判断し、しばらく様子を見ることにしました。大きな転機となったのは、国産メーカーから高性能な 3 次元レーザスキャナが登場したことです。
これらの機器は従来機と比較して格段に性能が向上しており、実用レベルに達していると判断し、迅速に導入を決断しました。しかしながら、機器の性能向上だけでは十分ではなく、それを支えるソフト
ウェアの充実が不可欠でした。この課題を解決したのが、アイサンテクノロジーによる Wing Earth の開発でした。さらに重要だったのは、既存の Wingneo®INFINITY との連携機能が充実したことです。これにより、3 次元点群データの取得から図面作成まで、一貫した効率的なワークフローが確立されました。弊社は新技術に柔軟に対応する社風があったため、この環境変化をいち早く活用し、業界内でも先駆的な 3D 測量体制を構築することができました。

Wing Earth導入後は、具体的にどのような改善がありましたか?

Wing Earthの導入による改善効果は多岐にわたり、まず最も顕著な変化として処理できる点群の数が飛躍的に増加したことが挙げられます。以前は、2000点ほどのデータ処理が限界でしたが、現在は何億点という膨大なデータを短時間で処理できるようになりました。これにより、現場の詳細な状況を余すところなく把握できるようになり、測量精度の大幅な向上を実現しています。さらに、構造物の見落としや線の接続ミスなど、従来は発見が困難だった問題も容易に特定できるようになりました。
また、作業効率の改善も実感しています。これまで全作業時間の8割ほどを占めていた現場での測量作業が、3次元レーザスキャナの導入によって効率化され、点群の処理やその他の作業に多くの時間を割けるようになったのです。同時に、従来の測量では特定の箇所のみを対象としてデータを取得していたため、後から追加の測量が必要になるケースが頻繁にありましたが、3次元レーザスキャナにより広範囲を網羅的に取得できるようになったことで、そうした作業がほとんど発生しなくなりました。

社内での働き方にも変化があればお聞かせください。

人材育成の方法も大きく変わりました。以前は個人の感覚に頼る部分もあったのですが、現在は上司が部下と同じ画面を見ながら指導できるため、理解度と定着率が向上し、技術の伝承も効率的に行えるようになりました。さらに、PC 中心の作業環境により、従来見られた手作業による個人差が解消されたことも、人材育成に良い影響を与えていると感じています。
特に注目すべき変化は、未経験者の早期戦力化が実現したことです。弊社では測量未経験で入社した社員が、およそ 1 年ほどで図面作成業務を担当できるようになりました。従来であれば知識の習得に数年を要していましたが、Wing Earth を導入したことで大幅に短縮できています。これにより、多様な人材を活用できるようになり、現場に出なくても活躍できる環境が整いました。結果として、働き方の選択肢が広がり、社内全体の生産性向上にもつながっています

今後の展望と、弊社に期待することを教えてください。

まず、BIM/CIM 分野での機能拡張に大きな期待を寄せています。建築・土木分野でのデジタル化が急速に進む中、弊社にもそのような案件のご相談が寄せられるようになりました。
Wing Earth 上でBIM/CIM に対応したパースの作成や、IFC フォーマットでのデータ出力が可能になれば、設計事務所やゼネコンとの連携がより密になり、新たなビジネス機会の創出にもつながると考えています。
さらに、日常的な業務改善として、図面作成時の品質向上につながる機能の充実も期待しています。
たとえば、線の接続不良を自動で検出する機能があれば、作業効率と図面品質の両面で大きなメリットがあるでしょう。

そして何より、アイサンテクノロジーには今後も業界をリードしていただきたいですね。長年使い続けてきた経験から、同社の技術力と対応力には絶対的な信頼を置いています。国が推進する様々な施策への対応についても、きっと最適なソリューションを提供してくれると期待しているので、今後も末永くパートナーシップを築いていきたいと考えています

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インタビューさせていただいた企業様

酒井 誠

株式会社MSS

代表取締役

酒井 誠 様

株式会社MSS

創業:
平成19年
本社:
愛知県名古屋市中川区
資本金:
5,000万円
事業内容

■ 各種地図作成 
■測量
■工務
■ 調査

導入事例 Case studies

製品別
MMSWingEarthWingneo®INFINITYLasPortANIST

導入企業情報

酒井 誠

株式会社MSS

代表取締役

酒井 誠 様

株式会社MSS

創業
平成19年
本社
愛知県名古屋市中川区
資本金
5,000万円
事業内容

■ 各種地図作成 
■測量
■工務
■ 調査