最新情報

2023.08.09
WingEarth wingearth-versionup

WingEarth Version2.4.0 新機能リリース情報

WingEarth Version 2.4.0
新機能リリース情報

アイサンテクノロジー「WingEarth」をお使いいただき、誠にありがとうございます。
2023年8月、新バージョン「2.4.0」をリリースする運びとなりました。
本ページにて新たに搭載される新機能をご紹介させていただきます。
皆様の業務におきまして、ますますの生産性向上、コストダウン、快適性に貢献できましたら幸いです。

免責

本コンテンツは、開発中の要素を含んでおります。
そのため、 実際に搭載される機能とは異なる場合があることをあらかじめご了承ください。

1建築物損傷評価

WingEarthオプション

建築物損傷評価オプションは、「地上レーザスキャナを用いた被災建築物の補修補強計画に資する計測および損傷評価の手引き(案)」に沿い、震災発生後、中破程度以上の損傷を有する建築物の被害箇所を迅速に把握し、その後の補修補強計画の立案に活用することを目的としています。建て替えの必要性や補修の判断において、現在は現場に足場を用意し計測・数値化している作業を、TLSを用いて短期間かつ安全に実施する事が可能となり、補償の算定などの分野でも注目を集めています。

本オプションソフトウェアは、国立研究開発法人 建築研究所「点群データを用いた被災建物の損傷 評価方法の普及に資する検討」プロジェクトへの共同研究参加から(令和4年8月Webサイト発表)被災建築物の損傷評価方法の妥当性の確認、その知見を取りまとめ損傷評価手法のマニュアルに沿った機能を実現しています。

Ver2.4.0では、
「真値推定」「差分量計算」:壁面の点群から損傷の状態を格子状に分析について

真値推定の補間機能 推定結果の点群登録 格子位置情報の追加(真値推定・差分量計算) 真値推定の最大最小表示 真値推定 差分量計算の簡略化表示ON・OFF

差分量計算後の壁面内の「浮き・剥落」分析について

浮き・剥落の領域名自動登録 浮き・剥落の表示切り替えとCSV出力

の機能を新たに追加・改良しました。

真値推定の補間

壁面の真値推定時に”空白となる箇所”の穴埋めを、空白の周囲の状況から補間します。
補間計算実施の有無・補間計算の設定のほか、環境設定では補間箇所の強調表示に関する設定を搭載します。

操作

壁面内の黒部分を補間する計算

真値推定時の補間計算

タブ建築物損傷評価】―〔真値推定真値推定〕―〔真値推定〕・〔真値推定(軸固定)〕―【補間計算】

真値推定のため、建築物壁面の点群データが必要です。

  1. 〔真値推定〕を開きます。
  2. 【補間計算】箇所の設定をします。

    補間計算を実施する 空白となったブロックの周囲に設定数値以上の真値推定ブロックがある場合に補間をします。

    有効数 空白ではないブロックが空白ブロックの隣接にn個以上ある場合のみ補間計算をします。

    補間回数 有効数の条件で補間計算を繰り返す回数を設定します。

真値推定結果の点群登録

分析する壁面を細かな格子状に分割した真値推定の結果から、格子状単位に代表位置(中心)を点群として登録し、数値データ・形状として活用できます。

操作

被災前後の真値推定点群のグループ化と重畳

真値推定時の点群登録

タブ建築物損傷評価】―〔真値推定真値推定一覧〕―真値推定データの選択―〔点群登録〕

真値推定のための建築物壁面の点群データが必要で、真値推定を実施後に利用します。

  1. 〔真値推定一覧〕を開きます。
  2. 点群登録する真値推定データを選択し〔点群登録〕します。
    ※各格子の中心を点群にし、グループ化します。
  3. 点群登録時にはグループ名の設定と点群の色設定(RGB値・密度・標準偏差・真値推定誤差・点群分布幅)を選択できます。

格子位置情報の追加
(真値推定・差分量計算)

真値推定は壁面に対して3点指示(①基準位置 ②鉛直方向点 ③水平方向点)によって調査面を設定します。(差分量計算はこの真値推定データの結果を複数重ねて利用します。)
〔真値推定一覧〕の〔詳細〕に
・縦軸の格子位置:調査面内のそれぞれの真値推定格子が①―③間でどれだけ離れているか
・横軸の格子位置:調査面内のそれぞれの真値推定格子が①―③間でどれだけ離れているか
・面からの離れ量:調査面とそれぞれの真値推定格子がどれだけ離れているか
を情報追加し、〔書き込み〕によるCSV・クリップボード出力にも対応しました。

真値推定の詳細

タブ建築物損傷評価】―〔真値推定真値推定一覧〕―真値推定データの選択―〔詳細〕

点群を元にした真値推定データが1つ以上必要です。

  1. 〔真値推定一覧〕を開きます。
  2. 情報表示する真値推定データを選択し〔詳細〕の設定をします。
    CSVやクリップボードに出力する場合は、〔書き込み〕から行います。

真値推定の最大最小表示

真値推定の詳細において、従来の〔最大値〕〔最小値〕は格子内にある点群のうち推定結果と最も離れている点(最も近い点)との距離をリスト化していましたが、その点のXYZ各軸の座標値で最大・最小を示すモードを搭載しました。(操作場所は前述の「真値推定の詳細」と同じです。)

操作

真値推定一覧の詳細

真値推定の最大最小表示
  1. 〔真値推定一覧〕を開きます。
  2. ウィンドウ上部の〔最大最小の表示内容〕が切り替えられます。
    〔書き込み〕によるCSV・クリップボード出力も切り替え内容が反映されます。

    中央値からの離れ量 初期値はこちらを表示します。上記従来の最大値・最小値と同じく離れの表示

    X(Y/Z)軸上の数値 離れが最大の点・最小の点をX(Y/Z)の座標値で表します。

真値推定・差分量計算の
簡略化表示ON・OFF

建築物損傷評価は環境設定に表示に関する設定を搭載しています。
調査箇所をズームアウト(小さく表示)した場合、これまでは自動的に真値推定・差分量計算結果のプレビューを簡略化表示していましたが、Ver2.4.0では、詳細な表示のままズームアウトできるよう〔真値推定と差分量計算の簡易表示〕スイッチを設け、簡略化と詳細の表示を切り替えられるようにしました。

ズームアウト時の簡易表示スイッチ
(環境設定内)

タブ設定】―〔設定環境設定〕―〔建築物損傷評価〕―〔表示〕

真値推定・差分量計算データが必要です。

  1. 〔環境設定〕から〔建築物損傷評価〕―〔表示〕を開きます。
  2. 〔真値推定と差分量計算の簡易表示〕のON・OFFを切り替えます。

    POINTVer2.4.0で新搭載の
    2機能の表示設定も追加

    真値推定の補間 〔補間箇所の強調表示〕で強調表示切り替え・色設定が可能

    浮き・剥落の名称表示 〔浮き・剥落の名称表示〕でON・OFF切り替えが可能

    上記2機能に関しても環境設定内に表示に関するチェックボックスを用意しています。

浮き・剥落の領域名自動登録

差分量計算(2つの真値推定データを比較し、壁面の損傷を分析)後、「浮き」や「剥落」の場所・量を分析するコマンドに複数に分かれた領域を自動分割して登録する機能を搭載しました。

操作

浮きの領域ごとに自動分割して登録

浮き・剥落(自動分割)― 
浮きのみを自動分割する例

タブ建築物損傷評価】―〔差分分析(浮き・剥落)浮き・剥落〕―〔浮き・剥落(自動分割)〕

同一箇所の2つの真値推定データ(被災前後)を比較した差分量計算データが必要です。

  1. 〔浮き・剥落(自動分割)〕を開きます。
  2. 【差分量計算】に実施した差分量計算データを選択します。
  3. 【選択対象・判定】の〔浮き〕のみを選択し、〔閾値〕(指定値以上の浮きを浮きとして扱う)・〔名称〕を設定します。
    〔名称〕がAの場合、複数の浮き領域はA_1、A_2・・の名前で登録されます。

浮き・剥落の表示切り替えとCSV出力

〔浮き・剥落一覧〕には「浮き・剥落の領域名自動登録」で登録したデータを含めすべての浮き・剥落データが一覧になります。Ver2.4.0では〔浮き・剥落一覧〕に〔種類〕の選択を搭載し、

浮き・浮き剥落(すべて表示) 浮き(浮きのみ表示) 剥落(剥落のみ表示)

が切り替えできるようにしました。〔書き込み〕でのCSVやクリップボードへの出力時にも上記の表示切り替えの内容が出力されます。

浮き・剥落一覧の種類切り替え

タブ建築物損傷評価】―〔差分分析(浮き・剥落)浮き・剥落一覧〕―〔種類〕

浮き・剥落(いずれかのみでも可)の実施データが必要です。

  1. 〔浮き・剥落一覧〕を開きます。
  2. 〔種類〕で表示する種類(浮き・剥落(すべて表示)・浮き(浮きのみ表示)・剥落(剥落のみ表示))を選択し、一覧に反映されたのを確認します。
  3. CSV・クリップボードに書き出す場合は、〔書き込み〕から行います。

2システム関連のお知らせ

起動時のライセンス選択

複数ライセンス所有者様向け

複数のライセンスの選択がしやすくなるよう、WingEarth起動時のライセンス認証で、
ユーザー名等を履歴情報として記録する機能を追加しました。

履歴には、ライセンスキー、セキュリティーコード、ユーザー名の情報がセットで保存します。(〔削除〕では現在表示しているライセンス情報を削除できます。)
複数人・複数PCなどで、複数のWingEarthライセンスを使いまわす場合や、WingEarthライセンスごとのオプション構成が異なる場合に、履歴のユーザー名を目安に使用ライセンスを簡単に切り替えられるようになります。

ライセンス情報を残す・選択する

【WingEarthの起動】―〔ライセンス認証〕―〔ライセンスキー(プルダウン)〕

  1. WingEarthをショートカットより起動します。
  2. 〔ライセンス認証〕画面の〔履歴を残す〕をONにした場合、ライセンスキー、セキュリティコード、ユーザー名の情報は保存され〔ライセンスキー〕のプルダウンより選択できるようになります。

現場管理「フォルダ変更」での
コピー&ペースト

PCやネットワーク上のWingEarthの現場の場所を指定する〔フォルダ変更〕内の【ルートフォルダー一覧】が文字入力やコピーした文字のペースト(貼り付け)に対応しました。

【ルートフォルダー一覧】に文字を入力したりペースト(貼り付け)によって現場データの場所が指定できるため、Windows®のエクスプローラで参照したパスを貼り付けて現場データの場所を指定し一覧に加えたり、ネットワークの参照先が〔追加〕からすぐに参照できない場合にも「¥¥ネットワークPC名¥フォルダ名」などで直接文字指定した参照が可能となります。

フォルダ変更 ―
現場データパスのコピー&ペースト

【現場管理】―〔フォルダー変更〕―【ルートフォルダー一覧】

  1. WingEarthを起動後、〔現場管理〕から〔フォルダー変更〕を開きます。
  2. 【ルートフォルダー一覧】の文字列が選択状態(選択可能)になります。
    エクスプローラ等でコピーした現場データフォルダのパスを右クリックから貼り付けます。
  3. 〔OK〕を押して2のフォルダーの現場を開くか、〔追加〕により一覧に登録することができます。

3座標指定の画面移動

透視投影時、XY・標高座標を入力しその場所に画面移動する機能と、プロット一覧から選択した座標位置へ画面移動する機能を追加し、作業・確認画面の切り替えや協議打ち合わせ時のスムーズな画面移動ができるようになります。

ビューワーへの出力(【タブファイル】―〔ビューワー出力〕)による現場データの閲覧機能下でも利用できるため、協議打ち合わせ・プレゼンテーション等を円滑に進めるために指定位置へと画面移動する機能としてもお使いいただけます。
ある画面(A)から座標指定位置(B)への画面移動を行う場合、Aの位置からBの位置に向けて滑らかに画面スクロールし、位置関係を感覚的にも捉えやすくなるようにしています。

XY・標高指定の画面移動は任意座標系に強い

XY・標高指定の画面移動は任意座標系に強い

プロット(基準点座標)を指定して画面移動

プロット(基準点座標)を指定して画面移動

活用アイデア

  • 協議・プレゼンテーション時に円滑に画面移動
  • 作業時の画面移動をプロット一覧から行う

座標(XY・標高)を
直接入力して画面移動

指定拡大 ― 座標値指定による画面移動

タブホーム】―〔表示移動指定拡大〕

投影が〔透視投影〕になっている必要があります。また、少なくとも画面移動先のXY座標がわかっている場合に使います。(点群や図形等の無い作業画面にも画面移動は可能です。)

  1. 〔指定拡大〕を開きます。(透視投影である必要があります。)
  2. 〔X座標〕・〔Y座標〕・〔標高〕に画面移動先の座標を入力し〔OK〕を押します。
  3. 作業画面が2の位置に移動します。(透視投影で回転等をしていた場合、その画角は保持されます。)

プロットを指定して画面移動

指定拡大 ― 座標値指定による画面移動

タブプロット・区画結線】―〔一覧プロット一覧〕―〔視点移動〕

投影が〔透視投影〕になっている必要があります。プロット一覧に表示される座標が現場内にある必要があります。

  1. 〔プロット一覧〕を開きます。
  2. 一覧から画面移動先のプロットを行選択し、〔視点移動〕を押します。
  3. 作業画面が2の位置に移動します。
    (透視投影で上空から見た視点に画面移動します。)

4点群合成・座標変換

点群合成・点群の座標変換に相似変換機能を追加しました。
本機能は作業規程の準則第4編地形測量及び写真測量(三次元点群測量)の第2章地上レーザ測量に示された平面直角座標系以外の座標系で計測する場合の「相似変換法」に対応する機能となります。(下記の①②は従来コマンドをより機能的に改良したもの)

本改訂により、以下の場所に相似変換機能が追加されました。
① 点群合成と座標変換内に〔相似変換(作業規程の準則)〕コマンドの新設
② 座標変換の作業性の大幅改良 ― 傾き変換・縮尺変更・精度管理

活用アイデア

  • 任意座標の点群計測を公共測量に則った方法で平面直角座標系に合致
  • 相似変換と同様の方法を活用し、座標変換を既存点群・図形等への
    位置合わせに活用

点群合成・座標変換 ―
作業規程の準則に則った相似変換法

① 〔相似変換(作業規程の準則)〕 :点群合成での例

現場内メインボタン】―〔点群合成〕―〔点群合成相似変換(作業規程の準則)〕

本作業を実施前には現場データの保存が必要です。
現場内の既存の点群と、既存点群位置に相似変換で合成する点群ファイルが必要です。

  1. 〔点群合成〕―〔相似変換(作業規程の準則)〕を開きます。
  2. 合成する点群ファイルを選択、開きます。
    この状態で作業画面には既存の点群と追加した点群が表示されます。
    マウスカーソルを既存点群に合わせると「スナップ:追加点群」に、追加した点群に合わせると「スナップ:追加点群」(赤色)となります。
    ※ホームタブ内の指定拡大を使うと、任意座標等の追加点群位置にすばやく画面移動できます。
  3. 追加点群から4点以上の点群(標定点標識の中心)を左クリックしていきます。(リストに追加されます)
    ※Ver2.4.0より、作業上利用する仮配置の点群に対してスナップが効く「スナップ(追加点群)」機能も搭載されました。
  4. 〔変換先名称〕・〔変換先X座標(Y座標/標高)〕に各行名称と移動先となる位置のXY座標・標高を入力、または〔座標管理〕でCSV等の座標ファイルを読み込み、各行の変換先との関連性を〔座標セット〕します。
  5. 〔変換〕または〔自動変換〕(標準偏差が最も小さくなるよう採用点を自動で求めます)を押すと、仮計算を実行し、変換先(追加点群)の状況をプレビューします。
    〔追加点群に移動〕で変換先位置に表示移動できるようになります。
  6. 【出力】では、座標変換計算の内容を〔変換レポート〕・〔標定点〕のテキストレポートの出力ができます。
  7. 〔座標変換〕を押すと、座標変換結果を確定します。
    ※現場データの保存や復元ができないことについての確認案内が表示されます。

座標変換 ―
傾き変換・縮尺変更・精度管理

座標変換は、既存の点群等が表示された作業画面で変換後の位置が確認できるようになりました。
作業画面上で座標変換の結果を確認して確定できます。
また、測地座標系⇌数学座標系の変換や、傾きのみの変換(従来の座標変換に相当)・傾きと縮尺の同時変換・縮尺のみの変換に対応し、自動変換(標準偏差が最も小さくなるよう採用点を自動で求めます)が行えます。
視認性によるミスの低減と、許容値設定・レポート出力による精度管理も新たに搭載しました。

② 座標変換 ―
傾き変換・縮尺変更・ 精度管理

現場内メインボタン】―〔座標変換座標変換〕

〔座標変換〕実行時には現場データが保存されます。また点群に関連して作成された各種データ(図形データ等)は削除されますので、十分なご注意の上、ご使用ください。
既存点群の変換先となる座標のリスト(CSV等も可)が必要です。

  1. 〔座標変換〕を開きます。
  2. 作業画面から変換基準点を3点以上選択します。(リストに追加されます)
  3. 変換先となる座標値を〔変換先X座標(Y座標/標高)〕へと入力、もしくは〔座標管理〕でファイルを読み込み各行との関連性を〔座標セット〕します。
  4. 【変換方法】で座標系の設定、傾き・縮尺変換に関する設定をし、〔変換〕または〔自動変換〕をします。
    リストのdX・dY等、標準偏差が更新されます。〔許容値設定〕に対する精度が着色表示されます。(範囲内はグレー)
  5. 【表示設定】では、変換元の点群範囲と、仮計算した変換先の点群範囲位置への画面移動ができます。
    【出力】では、座標変換計算の内容を〔変換レポート〕・〔標定点〕のテキストレポートの出力ができます。
  6. 〔座標変換〕を押すと、座標変換結果を確定します。
    ※現場データの保存や削除されるデータについての確認案内が表示されます。

52Dメッシュ機能強化

点群から作成したメッシュの利用やメッシュデータファイルの受け渡し機会の増加など、メッシュに関する需要の高まりに対し、下記の機能追加・強化対応をしました。

メッシュに関する以下の機能が追加・強化されました。
① メッシュファイルの入出力強化
② メッシュの位置合わせコマンドの追加
③ メッシュからグリッド点群を作成する機能の追加

活用アイデア

  • メッシュの間口を広げ作業の融通をアップ
  • 点群をもとにしたメッシュからの断面・横断の切り出しなど他の新機能とも連携

① メッシュファイルの入出力強化

DAE形式・FBX形式・OBJ形式・STL形式のメッシュデータの取り込みに新たに対応しました。
(※従来はLandXML形式のサーフェスデータのみをメッシュとして取り込みできる機能でした。)
メッシュのファイル出力についてはFBX形式での出力に新たに対応しました。
また、DWG出力の際には「PolyFacecontents01」として出力するよう改良しています。
メッシュの取り込み時には、距離比率を指定した取り込みや座標系(向き等)を設定できるようにしたほか、〔取り込み〕により図形化される前にメッシュデータを解析し、図形イメージをプレビューできるようになります。

POINT距離比率の設定機能はなぜ必要?

メッシュデータによって作成時の単位(ミリメートルやメートルなど)を保持しており、また複数のメッシュデータを利用する場合にはこれらが混在する場合があります。
そのため1倍・10倍・100倍など〔距離比率〕欄に数値入力することでメッシュファイルごとの大きさを統一して利用することができます。

① メッシュファイルの入力強化

タブファイル】―〔入出力入力〕―〔メッシュ〕―〔ファイル入力〕・〔フォルダー入力〕

現場内には点群が必要です。

  1. 〔入力〕―〔メッシュ〕を押すと〔メッシュ取り込み〕が開きます。
  2. 〔ファイル入力〕を押し、メッシュデータのある場所・ファイルを選択し、〔開く〕を押します。
    ※対応形式のファイルのみ表示されます。
  3. 〔メッシュ取り込み〕に2のファイルが一覧表示されます。
    また、作業画面にはメッシュファイルの外形が表示され、行選択でメッシュごとの〔距離比率〕や〔座標系〕(上下左右の扱い)が変更できます。(プレビューにも反映されます。)
  4. 〔取り込み〕を押し、完了します。
    ※位置合わせはメッシュの〔位置合わせ〕コマンドを使用します。取り込んだファイルは〔メッシュ〕―〔メッシュ一覧〕でも確認できます。

② メッシュの位置合わせコマンドの追加

取り込んだメッシュデータごとに1点指定・平行移動によるメッシュの移動、他のメッシュ端点や点群等のスナップ先への位置合わせが可能となります。(メッシュの取り込み時には〔距離比率〕と〔座標系〕が設定でき、大きさと上下向きを設定できます。)
WingEarthで点群から生成したメッシュも移動可能ですが、メッシュを移動することで点群や図形との位置ズレが発生しますので、十分にご注意ください。

操作

メッシュスナップでのブレークライン箇所による位置合わせ

② メッシュの位置合わせ

タブメッシュ】―〔編集位置合わせ〕

現場内にメッシュデータが必要です。

  1. 〔位置合わせ〕を押し、位置合わせするメッシュを左クリックで選択します。
    ズームアウトするとメッシュのエッジ表示と赤色ボックスによる領域表示がされるため、選択しやすくなります。
  2. 選択したメッシュの外周線が緑色に表示されます。
    メッシュへのスナップで外周線を構成するメッシュの端点を選択します。
  3. 2で選択した端点を基準にメッシュを移動します。
    点群や図形、他のメッシュの端点等移動先を左クリックすると位置合わせが完了します。

    POINTキーボードの併用で水平/鉛直/45度単位の移動位置合わせ

    移動時、下記のキーを押しながらマウスを動かすことで、水平方向への移動・鉛直方向への移動・45度単位での移動が可能です。

    H水平方向に移動 V鉛直方向に移動 Shiftマウス方向による45度単位の移動方向指示

③ メッシュからグリッド点群を作成する機能の追加

点群タブの〔クリーニング〕―〔グリッド点〕が2Dメッシュデータの指定領域を対象にしたグリッド点群の作成に対応しました。
登録されたグリッド点(点群)は、点群データビューにグリッド点群として登録され、グループとして扱うことができます。

操作

幅杭範囲にグリッド点群を作る例

③ メッシュからグリッド点群の作成

タブ点群】―〔クリーニンググリッド点〕

グリッド点群を生成するための2Dメッシュデータが必要です。

  1. 〔グリッド点〕を開きます。
  2. 登録するグループ名を設定し、【計算設定】を〔メッシュ〕にします。
    グリッド点群を生成するメッシュデータを〔・・・〕から選択します。
  3. グリッド点群を生成する【領域選択】をします。

    メッシュ領域 2で選択したメッシュデータ全体でグリッド点群を生成します。
    【画面上から選択】の箇所は選択せず、【基点選択】の〔自動計算〕(あるいは〔入力〕〔任意〕)へ進みます。

    図形選択 グリッド点群を生成する領域を、連続線データなどの作成図形から選択します。

    矩形 グリッド点群を生成する領域を、矩形(四角形)指定します。

    多角形 グリッド点群を生成する領域を、多角領域指定します。

  4. 【基点選択】でグリッドを生成する基点方向角を設定します。
    設定すると、画面には基点(赤)方向角(ピンク矢印線)グリッド生成の状況(黄格子線)が表示されます。

    自動計算 グリッドの基点位置方向角を自動で設定します。

    入力 グリッド点群を生成する基点位置(X,Y)・方向角(DEG)を数値設定します。

    任意 グリッド点群を生成する基点位置(X,Y)・方向角を作業画面上のスナップにより設定します。

  5. 4のプレビュー表示の格子位置にグリッド点群が生成されることになります。
    〔登録〕を押すとグリッド点群が生成され、〔点群データビュー〕に2で設定した名称でグループ登録されます。

6面の多点対応・面変換

図形タブの〔作図面〕による面データは、従来3点または4点から構成される図形でしたが、Ver2.4.0では5点以上の多点構成の面作成(あるいは拡張DMデータ等の外部からの入力面図形)に対応しました。
また、平面の連続線図形を面図形に変換する〔面(変換)〕を新たに追加しました。

面は原則として1つの平面により構成します。そのため〔面(変換)〕できる連続線図形は、構成点の高さが均一であったり(連続線(標高指定)で作図可能)、傾斜はあっても1つの平面で構成されている必要があります。

POINTDWGファイル内の折れ線のある
4点構成面?

DWGには4点構成の面に限り、面の内部に折れ線のある(二つ折りにしたような)面形状があります。
WingEarthではこうした面データを、DWGファイルの取り込み(【タブファイル】―〔入出力入力〕―〔図形〕―〔DWG/DXF〕)をしたデータのみ特殊な面形状として保持します。

多点構成の面の作成

〔面(多点)〕コマンドを新たに追加しました。
面の傾斜は1点目・2点目のスナップにより決定します。

操作

面(多点)と立面図作成

面(多点)

タブ図形】―〔作図面〕―〔面(多点)〕

点群やメッシュ、図形等、面の構成点となるデータが必要です。

  1. 〔面(多点)〕を開きます。
  2. 面を構成する位置を順次左クリックで選択します。(Shift+右クリックで1つ前の点に戻せます。)
  3. 構成点の指定後は「右クリック」を押し、図形を確定します。

閉合した連続線図形を面データに変換

〔面(変換)〕コマンドを新たに追加しました。
閉合した同一平面で構成された連続線データを面データに変換します。

操作

建物の連続線を面データ化

面(変換)

タブ図形】―〔作図面〕―〔面(変換)〕

閉合した同一平面で構成された連続線データが必要です。

  1. 〔面(変換)〕を開きます。
  2. 面にする閉合連続線を左クリックで選択します。
    面データに変換できるデータのみ緑色の選択状態となります。
  3. 〔実行〕を押すと、面データとして確定します。

7側面図形のサーフェス化

Ver2.3.0で実装した側面コマンドによって作成する立体の側面を面データとして登録するようにしました。
側面コマンドは、〔側面(端点)〕・〔側面(単体図形)〕・〔側面(上下図形)〕の3つの作図コマンドで構成され、「i-Construction推進のための3次元数値地形図データ作成マニュアル」(国土交通省国土地理院令和4年4月公開)への対応機能としてWingEarthでの作図図形、拡張DMデータを含むWingEarthへの取り込み図形から立体を構成する側面を生成するコマンドとして活用できます。

操作

側面(単面図形)による立体化

側面コマンドによる立体化

側面コマンド

タブ図形】―〔地形サーフェス化側面〕―〔側面(端点)〕・〔側面(単体図形)〕・〔側面(上下図形)〕

Wingneo®INFINITYと連携して取り込んだ拡張DM図形やWingEarthでの作図図形、取り込みCAD図形を立体化するため、端点選択・図形選択によって側面図形を作成します。

  1. ※ここでは〔側面(単体図形)〕による説明です。
    タブ図形】―〔地形サーフェス化側面〕から〔側面(単体図形)〕を選び、建物の屋根等上の図形を選択します。
  2. 続いて地表面など図形を延長する先(下の図形・点群・メッシュ等)を左クリックで選びます。
  3. 側面図形が面データで作図されます。

8最新仕様への対応機能

i-Constructionや公共測量で点群・設計データを活用する
ケースの各種仕様や機能改善に対応しました。

以下の機能が追加されました。
① i-Construction 舗装工出来形計算における設計データへの着色(見分け)
② i-Construction 構造物工出来ばえ評価におけるLandXML形式の設計データ入力
③ i-Construction 土工出来形計算における河川・海岸・砂防土工の掘削工(水中部)規格値管理
④ 作業規程の準則 三次元点群を使用した断面図作成マニュアル(案)に対応した断面作成横断作成

① i-Construction舗装工出来形計算における設計データへの着色

下層路盤・上層路盤など、舗装工出来形計算のために取り込んだ設計データ面に対し、着色設定ができるようになり、視認性のアップに対応しました。

操作

設計データ一覧(舗装工)一覧と着色

設計データ一覧(舗装工)

タブi-Construction】―〔一覧設計データ一覧〕―〔舗装工〕―〔表示色〕

現場内に〔入力〕―〔設計データ〕―〔舗装工〕から取り込んだ設計データが必要です。

  1. 〔設計データ一覧〕―〔舗装工〕を開きます。
    取り込んだ設計データの一覧が表示されます。
  2. 設計データの右端〔表示色〕をダブルクリックすると〔色の設定〕が開き、色の選択後〔OK〕で設定できます。
  3. 2の〔表示色〕欄を右クリックすると、複数選択(Shift+左クリック)した設計データに対する色設定〔色変更(単色)〕〔色変更(複数色)〕〔色設定解除〕を選べます。

    色変更(単色) 複数単体の選択した設計データをまとめて1色設定します。

    色変更(複数色) 複数の選択した設計データに色の差(ギャップ)がつくよう自動的に配色します。

    色設定解除 複数単体の選択した設計データの色を解除し、初期のグレー色に戻します。

② i-Construction構造物工出来ばえ評価LandXML設計データ入力

i-Construction設計データの取り込みに〔構造物工〕を追加しLandXML形式のサーフェスデータを取り込めるようにしました。また、〔設計データ一覧〕にも〔構造物工〕を用意し、設計データ表示のON・OFF切り替えができ、〔出来形計算〕―〔構造物工(出来ばえ評価)〕で設計と実測の評価が行えるよう改訂しました。

構造物工の設計データ取り込み

タブi-Construction】―〔入力設計データ〕―〔構造物工〕

構造物工の出来ばえ評価を行うため、構造物の点群とLandXML形式の設計データが必要です。

  1. 〔設計データ〕―〔構造物工〕を開きます。
  2. 〔LandXML(サーフェス)(*.xml)〕を押し、取り込むファイルを選択し〔開く〕を押し、取り込みます。
  3. 取り込んだ設計データは、〔設計データ一覧〕―〔構造物工〕に格納され、〔出来形計算〕―〔構造物工(出来ばえ評価)〕に利用できます。

POINT評価領域はサーフェスの構成点を
〔スナップ:設計〕指示

Ver2.3.0時は、点群と重なる多角形図形などをスナップにより設計領域として構成する機能のみでしたが、Ver2.4.0よりLandXML形式のサーフェスを設計データとして取り込み、その端点を〔スナップ:設計〕により領域指定し、評価領域を設定できるようになります。
※従来と同じ図形等のスナップでも設定できます。

③ i-Construction土工出来形計算における水中部の規格値管理

土工の規格値管理 工種:河川・海岸・砂防土工に「掘削工(水中部)」の種別をテンプレートとして追加しました。

操作
規格値管理 ― 土工 ― 河川・海岸・砂防土工

タブi-Construction】―〔作成規格値管理〕―〔土工〕―【工種】―〔河川・海岸・砂防土工〕

出来形計算には土工の設計データが必要です。

  1. 〔規格値管理〕―〔土工〕を開きます。
  2. 【工種】から〔河川・海岸・砂防土工〕を選択します。
    〔掘削工(水中部)〕の制限値条件が確認できます。
  3. 〔出来形計算〕―〔土工〕で工種・種別を設定することで利用できます。

④ 作業規程の準則 三次元点群を使用した断面作成・横断作成

国土地理院から公開された「三次元点群を使用した断面図作成マニュアル(案)」への対応から搭載した断面作成機能は、最新の作業規程の準則で点群から生成したメッシュを使用した断面の切り出しへと仕様が進化しました。
WingEarthVer2.4.0では、〔断面作成〕・〔断面一括作成〕・〔横断作成〕に上記新仕様に準拠した断面・横断の作成に絞り込んだ機能を〔断面(横断)(断面図作成マニュアル(案))〕として搭載しました。

操作

断面作成(断面図作成マニュアル(案))

断面(断面図作成マニュアル(案))

タブ断面】―〔断面断面作成〕―〔断面(断面図作成マニュアル(案)〕

点群をもとにした2Dメッシュデータが必要です。(無い場合、コマンドはグレーアウトされます。)

  1. 〔断面(断面図作成マニュアル(案)〕を開きます。
  2. 【計算設定】では、現場内にある2Dメッシュデータのみが選択できます。
    【傾斜抽出】を設定し、作業画面上で始点 ― 終点を順に左クリックすると切り出した断面編集ができます。

POINT断面一括作成や横断作成にも対応

断面図作成マニュアル(案)に沿った切り出し・編集コマンドは、〔断面一括作成〕・〔横断作成〕にも搭載しています。

操作

SIMA形式の線形データ入力に追加距離の有効桁数設定

SIMA形式の線形を読み込む際、【計算設定】で追加距離を同一とみなす際の有効桁数を設定できるようにしました。(小数0位~8位で設定可能)

SIMA形式の線形データ入力

タブファイル】―〔入出力入力〕―〔線形〕―〔SIMAフォーマット〕―【計算設定】

  1. 〔入力〕―〔線形〕から〔SIMAフォーマット〕を開きます。
  2. 【計算設定】で追加距離を同一とみなす際の有効桁数を選択し、〔取り込み〕をします。