導入企業・インタビュー

2024.05.02
WingEarth Wingneo®INFINITY

信和測量株式会社
WingEarthとWingneo®INFINITYを連携させることにより、 図面作成にかかる時間と工数を大幅に削減することに成功


信和測量株式会社様は昭和40年に全国の鉄道や新幹線の測量を主体とする測量会社として設立され、現在に至るまで鉄道はもちろん高速道路や空港、ダム、トンネルなどの計画・整備を通じて社会インフラを支えてこられました。
設立以来「実測会社」であることにこだわりを持ち、「信頼の技術で育む人の和」という信念のもと、これまで培ってきたノウハウや技術力を次世代へ継承すべく技術者の育成にも力を注いでいらっしゃいます。
高度な測量技術が必要な分野の中でも、特に鉄道分野での事業展開を得意とされている信和測量株式会社様。
まもなく創業60 周年を迎えられますが、「かかわる全ての人々に信頼される企業」であり続けることに尽力されています。これまで培ってこられた確かな技術と三次元データをはじめとした新しい技術を融合させながら、社会インフラの計画策定・整備において、社会から選ばれ続ける会社であることを目指していらっしゃいます。

御社の事業内容や、創業50年の歩みを 教えてください。

峯岸:1965 年の設立以来、社会インフラの計画や整備のあらゆる分野で必要とされる「測量技術」を提供しています。
高度経済成長期には鉄道や高速道路などさまざまな社会インフラの整備に携わっており、創業から現在まで測量に関するあらゆるノウハウを蓄積し、技術を磨いてまいりました。
創業して初めてのお客様が鉄道関係だったこともあり、現在まで測量業界ではニッチ市場とも言える鉄道分野での事業展開に力を入れています。
鉄道分野への事業展開においては会社ごとに必要な資格が異なることや特定の技術が必要とされるため、これまで培ってきたノウハウや技術力を絶やさぬようベテランから若手社員まで、技術の継承に努めております。
創業以来「実測会社」であることにこだわりを持ち、経験豊富な技術者が多く在籍していることも大きな特徴です。

アイサンテクノロジーの製品をいつから利用していますか?

渡辺:私は1990 年(平成2 年)に入社したのですが、その頃本社ではアイサンテクノロジーのシステムを導入していて、多摩支社では別の会社のシステムを使っていました。
その後、多摩支社でお付き合いのあった取引先が倒産してしまい、本社と同じくアイサンテクノロジーのシステムを導入したという流れなので、私が知っているだけでも20 年、会社全体では30 年以上前からのお付き合いだと思います。
当時は同様のシステムを提供している会社は複数ありましたが、すでに本社でアイサンテクノロジーの製品を導入していたこともあり、技術者が操作に慣れているという観点から多摩支社でも導入することになりました。

WingEarthを導入した経緯は?

峯岸:国土交通省が提唱する「i-Construction」が進む中で、2019 年頃から主に鉄道会社を中心に、三次元点群測量を用いたデータの納品が求められることが多くなりました。
他社と比べると、導入のタイミングはやや遅かったかなと思います。国の案件など規模が大きな現場では、当時からすでに三次元点群データを活用している会社はありましたが、私たちにご依頼をいただく東京都や小平市からは、三次元点群測量を用いたデータ納品を希望されることはありませんでした。
そんな中でも、鉄道会社からは比較的早めに三次元点群測量のデータを活用したいという声があり、導入を検討し始めました。
その後、ほかのお客様からも立て続けに同様の希望があり、「三次元点群データで納品してほしいというニーズが劇的に増えた以上、お客様の希望に応えないわけにはいかない」ということで導入に至りました。

WingEarthを導入後、業務にはどのような変化がありましたか?

岡部:私は主に鉄道関係の施設に関わる測量に携わっていますが、三次元レーザースキャナーを導入したことで、現況測量が大きく変化しました。
設計上コントロールが必要な場合はTS 測量を用いることもまだありますが、例えば物理的に人が入ることができないような場所や鉄道工事においても足場を組まないといけないような場合も、三次元レーザースキャナーで測っておけば相対的な位置関係は合うようになりました。
導入当初は点群データの取扱いに不慣れな部分もあり苦戦したこともありましたが、操作するにあたって視覚的にわかりやすいので、習得するのに時間はかかりませんでした。
また、駅のホーム下の平面図がほしいという場合、これまでは実際に人がホーム下に潜る必要がありましたが、三次元レーザースキャナーを導入したことによりその必要がなくなったので、技術者の体力的な負担も減らすことができました。
外での作業の負担が減った一方で、事務所内などの作業コストについては上がった部分もあります。
というのも、年々お客様が求めるレベルが高くなってきているので、柔軟に対応していくために試行錯
誤している状況だからです。三次元点群測量では、取得できるデータが膨大にあり、できることが多いため編集に時間がかかるなど、これまでであれば3 日で終わらせていた作業が4、5 日かかる場面も出てきています。いかに効率よく使いこなすかという点が、当社の課題です。
また、改善してほしいところや要望が出た場合はすぐに担当の方に相談すれば、解決に向けて迅速に対応してくださるところは非常に助かっています。

WingEarthを活用することで作業効率は上がりましたか?

岡部:現況測量にかかる時間は、格段に削減できました。これまでは2 名体制で現地に行かなければ
ならなかったところが、1 名で充分というケースも増えています。
作業効率の点では、目的によりますが、測量業務において例えば、クライアントの要望が地盤データの
TIN サーフェスの納品だった場合、グラウンドデータの抽出は非常に気を遣う部分です。この場合、WingEarth に搭載されているグラウンドフィルタリング機能が非常に優秀で、現場にある建物や物体をワンクリックで除去できることによって作業スピードが格段に上がりました。
また、点群に属性を与えグループ化することができるので、地物の種類や必要な点群、不要な点群を分
けて表示させることで視覚的にわかりやすく、作業効率アップに繋がっています。
平面図と連動して編集ができ、さらに縦横断の切り出しも可能なので、必要に応じて部分ごとに編集を
行っています。

WingEarthとWingneo®INFINITYを連携させることのメリットはどのような点ですか?

岡部:測量会社の実情として、三次元点群データを取得してそれをそのままクライアントに納品するということはほぼなく、平面図や縦断図、横断図の形に起こして納品するというケースがほとんどです。
WingEarth に取り込んだ三次元点群データをWingneo®INFINITY にトレースすることで、平面図や縦断図、横断図などクライアントのニーズに合った図面を作る際に非常に役立っています。
WingEarth とWingneo®INFINITY を連携させて最大限活用する方法については、まだまだ開拓の余地がある
はずなので、私たちも試行錯誤しているところです。
クライアントから三次元点群測量の発注があった場合、点群データをフィルタリングして納品できる状態まで落とし込む作業に時間がかかりがちですが、逆に平面図だけ取れればいい場合は、外での作業、事務所内での作業ともに業務効率が上がっているという実感がありますね。

BIM/CIM成果に関する御社の取り組みについて教えてください。

岡部:業界全体で人材不足が続いている状況なので、三次元データを一括で管理すること、作業効率をアップさせることの重要性がより高まってきていると感じます。
ありがたいことに長年お付き合いのあるお客様から継続的に当社へたくさんのご依頼をいただいております。その反面、新たなお客様からのご相談を受け入れるキャパシティがなかなか広がらないという課題もあります。WingEarth やWingneo®INFINITY の機能を最大限活用することで工程の短縮や単純作業の軽減を実現させ、社会インフラの整備を通してより便利で豊かな暮らしの実現を支えていきたいと思います。

御社の強みは?

渡辺:「実測会社」であることに重きを置いているところが、大きな特徴だと思います。
現在では、現場ごとに現地の技術者を確保して業務にあたる測量会社も多いかと思いますが、私たちの場合は基本的にすべて内製で行っており、常時30 名ほどの技術者が在籍しています。
例えば、災害復旧のための状況把握が必要な場合も、依頼があれば社内でチームを組んで現場に向かいます。
お任せいただいている業務範囲を自社内で完結できるため、もし何か不具合があった場合にも迅速に対応できる部分は大きな強みですね。これまで1 つひとつの現場や事業に真摯に向き合ってきたおかげか、先々代の時から長くお付き合いをさせていただいている会社が多いところも非常に恵まれていると感じます。
また、まもなく創業60 年になりますが、これまで培ってきた技術を次世代へ継承しようという意識が昔から会社全体に浸透しています。

御社の今後の抱負は?

峯岸:私たちは実測会社であることに誇りを持ち、これまでおよそ60 年間歩んでまいりました。
この先、測量技術の発展とともにいずれAI に取って代わられる日が来るのではという予想もありますが、現場がなくなることはないでしょう。測るべき現場がある限り、私たちの挑戦に終わりはありません。
創業当時と比べると社会背景や測量の現場を取り巻く環境も大きく変化しており、三次元レーザースキャナーはもちろん、UAV(ドローン)など、新たな技術の導入も積極的に行っています。
私たちがこれまで培ってきたノウハウや技術と時代に沿った新しい技術を融合させながら、今後もお客様の信頼に応え続けられる企業であるよう邁進してまいります。

渡邊 幸広

信和測量株式会社

取締役 多摩支社長

渡邊 幸広 様

岡部 綾太

信和測量株式会社

技術部 兼 空間情報室 副室長

岡部 綾太 様

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使用ソリューション

インタビューさせていただいた企業様

峯岸 慎

信和測量株式会社

代表取締役 

峯岸 慎 様

信和測量株式会社

創業:
昭和40 年 
本社:
東京都港区
資本金:
1,000 万円
従業員:
38名
事業内容

● GNSS 基準点測量業務
● 路線測量(鉄道/道路)業務
● 道路敷地調査測量業務
● 工事測量業務
● 深浅測量業務

インタビュー Interview

製品別
MMSWingEarthWingneo®INFINITYLasPort

インタビュー情報

峯岸 慎

信和測量株式会社

代表取締役 

峯岸 慎 様

信和測量株式会社

創業
昭和40 年 
本社
東京都港区
資本金
1,000 万円
従業員
38名
事業内容

● GNSS 基準点測量業務
● 路線測量(鉄道/道路)業務
● 道路敷地調査測量業務
● 工事測量業務
● 深浅測量業務